ロダン美術館には、毎年70万人以上の人々が彼の有名な彫刻を鑑賞しに訪れます。ロダンは、その人生におけるほとんどの作品を、自分の名前を冠した美術館を設立するために寄贈しましたが、それがこれほどの人気を得ることになろうとは、彫刻家自身全く予測していなかったことでしょう。

「考える人」、「接吻」、「地獄の門」など、彼を象徴する作品のオリジナルの鋳造を、この美術館で見ることができます。

この美術館の建物自体にも、少々歴史があります。ここは以前、18世紀のロカイユ様式で建てられたオテル・ビロン（Hôtel Biron）という名の邸宅でした。この豪華な館と庭園は、印象派ロダンの傑作を鑑賞するのにぴったりの場所です。

アカデミーによって退けられた彼の初期の作品から、その死後における彼の技術に対する高い評価まで、ロダンの人生とキャリアを定義した彫刻作品の間をそぞろ歩きましょう。

作品の多くは何年もの間しまい込まれており、それらの作品の登場は、ロダンの作品をより包括的かつ当時の状況に沿って理解するよう私たちを助けてくれます。細心の注意を払って選び抜かれた作品が並ぶ幾つもの部屋を巡り、世界で最も有名な彫刻家の年代的・美的・創造的なプロセスを探りましょう。ロダンの時代を蘇らせたオテル・ビロンの複製も見学できます。

このフランス人彫刻家は、1908年にオテル・ビロンの緑豊かな庭園に自身の作品を配置し始めました。様々なブロンズや大理石の像をその陰に隠している木々や花々が生い茂る静かな彫刻庭園を散策していると、パリの中心にいる事を完全に忘れてしまうことでしょう。